ロンドンの交通カードはOysterかタッチ決済か|Visitor Oysterの要否と1日上限【2026年11月確認】
ロンドンの交通カードは、手持ちのタッチ決済カードか Oyster のどちらでも使えます。この記事は、どれにするかを出発前に決め、乗り方の失敗と帰国前の精算まで確かめるための整理です。運賃・条件は2026年11月7日に TfL(ロンドン交通局)の公式ページで確認した内容で、通貨は英ポンド(£)、料金は大人です。運賃は改定されることがあるため、出発前にもう一度、各章の確認先で確かめてください。
この記事の要点
- 選ぶ軸は「Oyster のカード代」対「タッチ決済の海外手数料の可能性」。手数料の額は TfL になく、カードの発行会社に確認する
- 入場も出場も、同じカード・同じ端末でタッチする。別の手段だと余計に払う
- Visitor Oyster はロンドン到着前にしか買えない。カード代(£10.50+送料)は返金されない
ロンドンの地下鉄・バスは、手持ちのタッチ決済カードか Oyster で乗れ、運賃は上限で頭打ちになる
オイスターカードとは、ロンドンの地下鉄・バスなどにチャージして乗る、TfL の交通カードのことです。日本の Suica に近い使い方ができます。TfL は、非接触カードやスマホ・ウォッチでも全サービスで pay as you go(乗った分だけ払う方式)ができるとしています(2026年11月7日確認)。
運賃そのものは、どの選択肢でも同じ上限(daily cap)の体系で頭打ちになります。TfL は、ゾーン1〜9で上限つきの pay as you go は Day Travelcard(1日乗車券)より安いとしています。だから運賃の差では選ばず、カード代・買える時期・手数料・同行者で決めます。
3つの選択肢は、カード代・買える時期・返金・登録の4点で違う
手持ちのタッチ決済、標準 Oyster、Visitor Oyster を並べると次のとおりです(2026年11月7日確認、TfL)。
| 項目 | 手持ちのタッチ決済 | 標準 Oyster | Visitor Oyster |
|---|---|---|---|
| カード代 | なし | £10 | £10.50(送料別) |
| 買える時期・場所 | 手持ちのカードをそのまま使う | 現地の駅などで買える | ロンドン到着前のみ。TfL Visitor Shop か承認旅行代理店で買う |
| カード代の返金 | − | 返金されない(2022年9月4日以降に取得したカード) | 返金されない |
| アカウント登録 | − | 登録できる | 登録できない |
| 海外手数料 | かかる場合あり。発行会社に確認 | 購入・チャージの支払い分の手数料は、使うカードの発行会社に確認 | 同左 |
| 初期チャージ | − | 駅などでチャージ | 購入時に£10〜£50から選ぶ(£10、£15、£20、£25、£30、£35、£40、£50) |
出発前に準備できない人は、Visitor Oyster を選択肢から外します。到着後には買えないためです。
標準 Oyster は、登録しておくと紛失時の返金や再発行の対象にできます。登録しないまま失くすと、チャージ分は返金されません。Visitor Oyster は登録できず、紛失・盗難のときのチャージ分も返金されません。
手数料の合計がカード代を超えるときだけ Oyster が有利で、それ以外はタッチ決済が目安になる
TfL は、英国外で発行されたカードには海外手数料などがかかる場合があり、発行会社に確認するよう案内しています。手数料の額や、日本の各カードの条件は TfL の公式ページにないため、この記事では書きません。
- 出発前に準備できるか決める(できない人は Visitor Oyster を除く)
- 手持ちのカードの海外手数料を発行会社に確認する
- 同行者の数・スマホ決済か・空港往復の日があるかで選ぶ
損得は次の式で比べます。
手数料率 × 使う運賃の合計 と、カード代(標準 Oyster £10、Visitor Oyster £10.50)を比べる
手数料の合計がカード代を超えるなら Oyster が有利、下回るならタッチ決済が有利です。運賃の合計は「日数 × 乗るゾーンの1日上限」を上限の目安にできます(上限表は次の章)。
分岐点の手数料率は「カード代 ÷ 運賃の合計」で出せます(編集部算出)。たとえばゾーン1-2を4日間、毎日上限まで使うと、運賃は最大£35.60です(1日上限£8.90×4から編集部算出)。標準 Oyster のカード代£10は、この運賃の約28%にあたります(編集部算出)。自分のカードの手数料率がこれより小さければ、タッチ決済のほうが安くなります。Oyster の購入・チャージにも手数料がかかる場合は、さらにタッチ決済が有利です。
| 自分の条件 | 目安 |
|---|---|
| 手数料がかからない、または手数料率が分岐点より小さい | タッチ決済。カード代がかからない |
| 手数料率が分岐点を超える、または手数料の有無にかかわらずOysterの使いやすさを取りたい | カード代を払って標準 Oyster。出発前に準備できるなら Visitor Oyster も候補 |
| スマホ・ウォッチで払いたい | 非英国銀行のカードに紐づくモバイル決済は、動かない場合や手数料がかかる場合がある。実物のカードを持つと安心 |
| 同行者と1枚で済ませたい | 1枚を2人で使うことはできない。人数分のカードか Oyster を用意する |
| 空港往復の日がある | 空港往復でゾーン6まで乗る日は1日上限が上がる(ヒースローのゾーンは TfL で確認。後述)。手数料率が気になるなら、運賃の合計が大きい日ほど影響が出る |
Visitor Oyster の初期支払いは、TfL の初期チャージ目安から計算できます(編集部算出)。滞在2日の目安チャージは£15で、カード代£10.50との合計は£25.50です。滞在4日の目安は£30で、合計は£40.50です。送料は別で、チャージ分は使えば減ります。目安は必要額の保証ではありません。
「どれでもよい」のは、手数料が低いと確認でき、1人で乗り、スマホではなくカードで払う人です。その場合はカード代のかからないタッチ決済を使えばよい、というのが目安です。
交通カードを買うか手持ちのカードで済ますかの別都市の例は、シンガポール 交通カードにあります。
1日上限はゾーンで£8.90〜£16.30、24時間の区切りと同じカード/端末が条件で、1週間なら月〜日の上限がある
自分の乗るゾーンの行を引いてください(2026年11月7日確認、TfL。2026年3月1日の改定後の額)。
| 乗るゾーン | 1日上限 | 週間上限(月〜日) |
|---|---|---|
| ゾーン1のみ | £8.90 | £44.70 |
| ゾーン1-2 | £8.90 | £44.70 |
| ゾーン1-3 | £10.50 | 公式表で確認 |
| ゾーン1-4 | £12.80 | 公式表で確認 |
| ゾーン1-5 | £15.30 | £76.40 |
| ゾーン1-6 | £16.30 | £81.60 |
TfL は Tube・鉄道の Travelcard と上限額を2027年3月まで据え置くとしています。
上限の条件は次のとおりです。
- 1日上限の計算期間は04:30〜翌04:29の24時間
- 週間上限の計算期間は月曜〜日曜
- 朝はスマホ、夜は別のカードで払った運賃は、1日上限に合算されない
- ゾーン1-2の上限に届いたあとでゾーン3まで行くと、差額が請求されて上位ゾーンの上限に引き上げられる
ゾーン1-2の Day Travelcard(終日)は£16.60です。1日上限£8.90との差は£7.70です(編集部算出)。上限の日は、Travelcard を買うより最大でこれだけ安くなります。
1週間でゾーン1-2の週間上限£44.70は、1日上限の約5.02日分です(編集部算出)。月〜日に6日以上乗る場合だけ週間上限に届く可能性があり、短い滞在では1日上限が効きます。
上限の対象は、Tube、DLR、Elizabeth line、London Overground と、ゾーン1-9の大半の National Rail です。
乗り方の失敗は、別の端末で出る・出場のタッチを忘れる・1枚を2人で使う、の3つ
避けたい判断は、「入ったときと違うカードや端末でも出られる」と考えることです。タッチ決済も Oyster も、入場と出場は同じカード・同じ端末でタッチします。たとえば iPhone で入って Apple Watch で出ると、余計に払うことになります。
| 場面 | こうすればOK |
|---|---|
| 入場と出場の端末 | 同じカード・同じ端末でタッチする |
| 出場のタッチ | 地下鉄・鉄道では出るときもタッチする。忘れると最大運賃になる場合がある。バス・トラムは入場のみ |
| 1枚を2人で | 1枚のカードを2人で使うことはできない。人数分を用意する |
| カードを貸す | 標準 Oyster でチャージ残高だけのときは貸せる。Travelcard などが載っているカードは対象外 |
| Elizabeth line の西側 | Reading〜Iver 間の駅では Oyster が使えない |
別の手段で払った運賃は、1日上限に合算されません。1日のあいだは、できるだけ同じカード・同じ端末に統一します。
地下鉄の乗り方は、近場アジアの例として台北MRTの乗り方も参考になります。
バスは別の上限で、片道£1.85・1日上限£5.55・1時間以内は乗り放題、現金は使えない
バス・トラムの運賃は、Tube とは別の体系です(2026年11月7日時点の表示、TfL)。
| 項目 | 内容(大人・pay as you go) |
|---|---|
| 片道 | £1.85 |
| 1日上限 | £5.55(片道の3回分。編集部算出) |
| 週間上限(月〜日) | £26.10 |
| Hopper fare | 最初のタッチから1時間以内の乗車は、£1.85で乗り放題(同じカード・端末で全ての乗車) |
| 現金 | 使えない |
| 11歳未満 | 無料 |
バスは入場のときだけタッチし、降りるときのタッチは要りません。
Visitor Oyster の公式ページには、バスの片道£1.75・1日上限£5.25という旧額が残っています。この記事では、バス運賃のページ(£1.85・£5.55)の額を使っています。
ゾーン6まで乗る日は1日上限が上がり、Heathrow Express は上限の対象外になる
空港往復でゾーン6まで乗る日は(ヒースローのゾーンは TfL で確認)、乗るゾーンがゾーン6まで含まれます。ゾーン1-6の1日上限(£16.30)はゾーン1-2(£8.90)より£7.40高くなります(編集部算出)。ヒースロー空港のゾーンは、TfL 公式で確認してください。
Elizabeth line のゾーン1〜ヒースローは片道£15.50です(2026年3月1日の改定後、TfL が2026年2月20日に発表)。
Heathrow Express は、上限の対象外です。一方で Visitor Oyster は、Heathrow Express と Gatwick Express(空港〜ロンドン中心部)に使えます。使えることと、上限に含まれることは別です。
空港から市内への行き方の詳細は、ヒースロー・ガトウィックそれぞれの記事で扱う予定です。
標準 Oyster は駅で買ってその場でチャージでき、帰国前はカード代が戻らないことを前提に残高を使い切る
標準 Oyster は、Tube、London Overground、Elizabeth line(West Drayton〜Reading を除く)の駅などで買えます。チャージは、駅、オンライン、新聞販売店、TfL Go アプリでできます。Visitor Oyster の購入先は TfL Visitor Shop と承認旅行代理店で、ロンドン到着前に買います。
帰国前の精算は次のとおりです(2026年11月7日確認、TfL)。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| カード代(標準 Oyster) | 2022年9月4日以降に取得したカードは返金されない。戻るのは残りのチャージのみ |
| カード代(Visitor Oyster) | 返金されない。残りのチャージ分は返金できる |
| 残高の店頭返金(標準 Oyster) | 残りが£10以下なら券売機で返金申請。それを超える額はオンラインで申請 |
| Visitor Oyster の店頭返金 | 多くの地下鉄駅の券売機・ビジターセンターで、£10までのチャージ分 |
| 紛失(標準 Oyster) | 登録しておけば返金・再発行の対象にできる。登録しないとチャージ分は返金されない |
| 紛失(Visitor Oyster) | チャージ分は返金されない |
カード代は、どちらの Oyster でも戻りません。帰国前は、残高を使い切るつもりで最後のチャージ額を決めます。
返金の窓口や条件は変わることがあるため、TfL の公式ページで確認してください。
チャージ額と払い戻しの考え方の別都市の例は、韓国 Tmoney 使い方にあります。交通カードの種類を選ぶ例は香港 オクトパス 種類です。
本記事のアイキャッチ画像は AI 生成のイメージで、実際の券売機や改札の写真ではありません。
よくある質問
Q1. ロンドンの交通カードは Oyster とタッチ決済のどちらがよいですか
運賃は上限の体系で同じなので、カード代と海外手数料で決めます。手数料の合計がカード代(標準 Oyster £10)を超えるときだけ Oyster が有利で、それ以外はタッチ決済が目安です。ゾーン1-2を4日間毎日上限まで使うと運賃は最大£35.60で、£10は約28%にあたります(1日上限£8.90×4から編集部算出)。自分のカードの手数料率がこれより小さければタッチ決済が安くなります。Visitor Oyster はカード代£10.50(送料別)で、ロンドン到着前にしか買えません。滞在2日の目安チャージ£15を足すと初期支払いは£25.50、4日の£30で£40.50です(編集部算出)。
Q2. 子どもは運賃がかかりますか
バス・トラムは11歳未満が無料です。Tube・DLR・Overground・Elizabeth line などは、大人に同伴する11歳未満が無料の扱いで、大人1人あたり4人までです。別に、5歳未満は運賃を払う大人と同伴なら無料です。対象と条件が違うので、混ぜずに公式で確認してください。
Q3. バスの運賃はいくらで、現金で払えますか
大人の片道は£1.85、1日上限は£5.55で、現金は使えません(2026年11月7日時点の表示)。最初のタッチから1時間以内の乗車は、同じカード・端末なら£1.85で乗り放題です。Visitor Oyster の公式ページにある£1.75・£5.25は旧額です。
Q4. 余った Oyster の残高やカード代は戻りますか
カード代は戻りません(標準 Oyster は2022年9月4日以降に取得したカード。Visitor Oyster も同じ)。残りのチャージは戻る場合があり、標準 Oyster は残りが£10以下なら券売機で返金申請できます。Visitor Oyster が紛失・盗難に遭ったときのチャージ分は返金されません。
Q5. 家族や友人と1枚の Oyster を共有できますか
1枚の Oyster を、2人が同じ乗車で使うことはできません。ただし標準 Oyster でチャージ残高だけが入っているカードは、別の人に貸せます。Travelcard などが載っているカードは対象外です。
出典
- Transport for London「Best ways for visitors to pay」 (取得日: 2026-11-07)
- Transport for London「Visitor Oyster card」 (取得日: 2026-11-07)
- Transport for London「Pay as you go」 (取得日: 2026-11-07)
- Transport for London「Fare capping」 (取得日: 2026-11-07)
- Transport for London「Adult rate prices 2026」(PDF) (取得日: 2026-11-07)
- Transport for London「Bus and tram fares」 (取得日: 2026-11-07)
- Transport for London「Apply for unused credit or ticket refund」 (取得日: 2026-11-07)
- Transport for London「TfL reminds customers of changes to Tube and rail fares from 1 March」(2026-02-20) (取得日: 2026-11-07)